■ヨーロッパロケに関するマニュアル
ヨーロッパの現地スタッフを起用する際の労働条件、社会保険制度や機材、許可、保険等についての基本的なポイントをまとめてみました。
参考資料として、ヨーロッパ主要国の祝祭日(2003年)、政府観光局の情報を掲載しました。
御質問等は、以下のメールまでお願いいたします。
担当 水由(みずよし)
E-mail:cm@mistral-japan.co.jp
1.ヨーロッパでの撮影における、技術者・労働者等の
基本労働条件
ヨーロッパ各国での撮影のシステムについて、イギリス・イタリア等映画制作が盛んなヨーロッパ主要国での事情もほぼフランスと同じと考えればよいでしょう。
ここではフランスの場合をもとにして紹介します。
フランスの映画制作を支えている技術者・労働者の大半がフランス映画及びテレビ技術者協会に属しています。この協会は職種により技術者協会、労働者協会、俳優協会(*下記参照)などの支部に分かれており、それぞれがフランス映画制作者および輸出者連盟との間で映画制作における基本条件の協約を結んでいます。
その中で劇映画・テレビ長編ドラマ制作従事の雇用条件について、職種別の時間単価をベ−スに1日8時間労働の日当や週39時間労働の週料金などの最低給料、労働時間および超過労働時間の取り扱い、食事、休憩等に関する取り決めをしています。
2002年1月1日よりフランスは中小企業も週労働35時間制が導入されました(これまでは週39時間)。しかし、雇用主の負担が考慮され、2004年までに完全な35時間制に移行するまで数々の緩和策がとられています。2002年現在、映画制作技術者・労働者に関しては超過勤務時間(39-35=4時間)4時間分に10%の割り増し料金を加えて給料を値上げする案が取られています。つまり、超過労働時間に関しては現状通り1日8時間以上(週39時間上)働いた場合で計算します。
TV-CFのロケに際して、現地フリースタッフや出演者を雇用する機会が多くなっている昨今、日本の制作プロダクションのプロデューサーもこの基本労働条件を知って置く必要があります。
個々では、劇映画・テレビ長編ドラマを対象にした条件ではなく、それをもとにして、TV-CFなど4〜5日ぐらいまでの短期撮影のために一般的に使用されている“パブリシティ条件”を説明します。
フリースタッフや出演者との個々の契約は、あくまで双方の合意によるもので、経験や技術、需要、供給のバランスにより、多少の幅があることはいうまでもありません。
★技術者協会:
撮影監督・カメラマン・美術監督・録音技師・メイクアーティスト・ヘアーアーティスト・スタイリスト・衣装係・プロデューサー・制作主任・制作助手・演出助手等の協会
★労働者協会:
グリップ・照明助手・ジェネレーター運転手・美術セット立て込み労働者等の協会
★俳優協会:
俳優・エキストラ・ダンサー・ミュージシャン・振付等の協会・スタント
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