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●スタン・ブラッケージ 映画の極北 メールニュース
NO.1
2001.7.13

7/14のオールナイト情報と、7/7に行った松本俊夫さんのトークのようすをお知らせます。
ボールダー報告は次号にてお知らせ致します。

☆スペシャル・オールナイト「BRAKHAGE EYE NIGHT」のお知らせ!!
現在BOX東中野にて上映中のスタン・ブラッケージ作品集“BRAKHAGE EYES”では、7/14(土)11:00PMからスペシャル・オールナイトプログラムを上映します。
『DOG STAR MAN』を含めた“BRAKHAGE EYES”3プログラムの上映と、視覚や脳髄を刺激する日本の実験映画7作品を特別上映! 映像研究家の那田尚史氏をゲストに迎え、スタン・ブラッケージと“実験映画作家”の人間性を検証する。また、先月撮影したスタン・ブラッケージの作業中の写真をスライドでこっそりお見せします!
料金:3000円(BOX東中野窓口にて先着発売)

◆上映作品
 スタン・ブラッケージ作品
 『FIRE OF WATERS』『窓のしずくと動く赤ん坊』『夜への前ぶれ』
 『THE DEAD』『思い出のシリウス』『MOTHLIGHT』『自分自身の眼で見る行為』
 『DOG STAR MAN』
A、B、Cプログラムを一挙に上映。まとめて一度に御覧頂けます。
 日本の実験映画 (約70分)
 『生態系5・微動石』小池照男 16mm 16分 1988
 『Sight』青井克己 16mm 12分 1991
 『片足の神様』黒澤潤 16mm 12分 1991-94
 『みみず物語』 黒坂圭太 16mm 15分 1989
 『瞬息』 水由章 16mm 3分 1997
 『新たなる息吹き』水由章 16mm 5分 2001
 『或る情景・都市河川』水由章 16mm 6分 1993

爆音とともに鉱石たちが激しく乱舞する『生態系5・微動石』、山手線を一周する間に<光景><視界><目撃><視覚><観察><見ること>を密かに体験する『Sight』、残酷で冷淡で暴力的映像の連続、『猫耳』の原点が凝縮された『片足の神様』、ウサギとミミズのほのぼのとした雰囲気からグロテスクとシュールな場面に変貌する不条理劇『みみず物語』、まばたきの瞬間をとらえたかのような映像と光の反射が美しい『瞬息』『新たなる息吹き』、神田川の全ての橋でとらえた情景がビートがきいた画面で続く『或る情景・都市河川』
真夏の夜中に、あなたの視覚をとことん疲労させる“Deep”な映像の数々を是非体験して下さい!

☆「BRAKHAGE EYES」松本俊夫(映像作家・『薔薇の葬列』『ドグラ・マグラ」』監督)トークショー抜粋

〈日本でのブラッケージ紹介の歴史的背景と作品の根源的テーマについて〉

「1966年、日本にアメリカの実験映画が大挙してやってきたとき、『MOTHLIGHT』などがはじめて紹介された。当時『窓のしずくと動く赤ん坊』は税関の検閲を通らなかったので、8ミリでこっそりと持ち込まれたり、『自分自身の眼で見る行為』もアメリカンセンターの招待関係者間でしか上映されなかった。故に、ブラッケージといえば『夜への前ぶれ』的なイメージが強く、アメリカの実験映画の中でも日本の映像作家におよぼすブラッケージの影響は大きかった。
当初、ブラッケージはマヤ・デレンに始まるサイコドラマの影響を受けた作風だったが、徐々に視覚の問題に真剣に取り組まなければならない、と思うようになり、「映画によって物語る」とか「映画によって対象を再現する」ということではなく、映画を撮ることや、映画として物を見ることによって生まれてくる視覚の世界が、映画に固有な本質ではないかという考えになっていった。50年代後半、『夜への前ぶれ』が『DOG STAR MAN』のタッチに繋がる転機となった。光と影や、フォーカスや露出、手ぶれ、光の軌跡のふるえ、光と色彩の動態的な感覚が大きなウェイトを占めている。
何が映っているかということより、フィルム上の出来事に惹かれるのだ。作り上げていく映像というより、偶然と制御の緊張関係が紡ぐ予測を越えた展開がブラッケージの映画のおもしろさをつくり出している。
こういう映画は当時、それまで見たことがなかった。「いったいこれは映画なのか?」と感じ、とても新鮮だった。彼が60年代初めに書いた文章の中でも、言葉が作り上げる概念の枠組にあわせて物事を見る、という見方をやめ、物との出会いの中で生まれる知覚を大切にした。言葉の力にねじ伏せられず、刻々と映画を撮っている中で映画としての現実が生まれてくる。肉眼では無く、映画を撮ることによって生まれるイメージの運動、視覚の戯れ、豊かな複雑な世界の生成、そこにこだわっている。
抽象的な概念や言葉でものを捉えるのではなく、きちんと物事を見る、ものが生まれてくることに出会う、生き生きと知覚するといった、見る行為そのものを大事にしようとしている。
映画の撮り方に関する技術の本(教科書)を書く場合にも、フィルムにはどういう種類のものがあるのか、透明なもの(スヌケ)、感光させてないもの、感光したものなどを分類し、よく見ろと提示している。それぞれのフィルムが違ったニュアンスを持ち、光に透かすと青みを帯びたり、赤みを帯びた光を感じられたり、スヌケは光を通過させるだけではなく、実際によく見ると色付いた光が見えるといったニュアンスを感じとらせる。またキズやゴミを見ることも…
「フィルムを見る」ということからこんなことを気づかせようとした教科書はほかにはない。ブラッケージの本質がよく出ている本である。
事実、彼は自身の作品の中でも光線漏れなども切らないで使っているが、ブラッケージによれば、それらのキズや反射も作家の文体の一部にほかならない。
フィルムによって作られる視覚世界を抜きには語れないが、それを撮る事自体が対象を見つめる人間の問題に通じるわけで、ブラッケージは生と死という根元的な命題に必死に取り組むなど、いろんなものを複合させた奥の深い作品作りを見せている。
今回の「BRAKHAGE EYES」のAプロは生(性を含め)をテーマにした生命的なイメージ。
Bプロは死のテーマに繋がる。見つめること自体の緊張。人間とは血と肉を包んだ袋に過ぎないということを見据えながら人間が生きる根源を見い出そうとしている。
ABプロ両方あわせて見ると『DOG STAR MAN』に集大成していく大きな流れがその時代のブラッケージに見られる。
上映の時期にもよるが、「素人の映画」「いやらしい映画」という見方もされていた。検閲の対象にもなった。今は価値観も変わってきているが。
歴史としての評価は高い映画で、金字塔であることはかわらない。視覚の芸術として大きな存在である。『MOTHLIGHT』には視覚、フィルム、マテリアルを感じさせる物質的な知覚がある。60年代後半には映画の自己言及性を追求する映画が出てくるがそれらを先取りしている。
『DOG STAR MAN』の2重、3重、4重焼きと、朝、昼、夕や、四季といった要素を構造的に構築するやり方。構造映画の前ぶれでもある。ブラッケージの映画にはアメリカ実験映画の多様で立体的な切り口や文脈があれこれと見つかる。
編集やカット割りからも感性の良さがうかがえる。フィルムのメカニズムについて体でリズムを身につけている。左右、上下をひっくり返しても使えるようにブラッケージはパーフォレーションが両側にあるフィルムを使う。エマルジョンとベース面であってもくっつけられる技術を持っていて、自由自在な運動を展開できるのだ。」
(2001.7.7 BOX東中野にて 聞き手:ミストラルジャパン・水由章)

ニュース配信:ミストラルジャパン
[スタン・ブラッケージ 映画の極北 ML]
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