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浮世物語(Le conte du monde flottant)    
     

●作品データ

浮世物語(Le conte du monde flottant)
2001年/フランス・日本/35mm/カラー/ドルビーSRD/24分/1:1.85

■監督、脚本、ヴィジュアル・エフェクト
 アラン・エスカル(ALAIN ESCALLE)
■制作会社
 MISTRAL FILM (フランス)
■共同制作
 T.E.V.A.(フランス)
■配給・宣伝
 ミストラルジャパン
■プロデューサー
 木部直之、水由章
■撮影、照明
 浜口文幸
■音楽
 セシル・ルプラド
■編集
 フランク・マニャン
■ポストプロダクション
 T.E.V.A.
■出演
 大橋可也、小林良也、中村優子、鈴木卓爾、中原和宏、他

衝撃、突き刺す風、痛みの中に引き裂かれる体、過去の中の未来の幻影
あの光が落ちる前に…世界が混乱する前に……

『浮世物語』は世界的なインフォグラファー(ヴィジュアル・エフェクト・アーティスト)アラン・エスカルが、1945年の広島、室町、平安という日本の三つの時代を交差しながら、まるでキャンバスに絵を描くかのように最新のデジタル合成システム“インフェルノ”を自由に操り完成した壮大な夢物語。構想・制作期間に5年、合成・編集に1年半(延べ2,000時間)を要した、ハリウッドのSFX、CG(3D)映像とは異なるオリジナリティ溢れるインフォグラフィックな映像の数々。アランが<広島>にインスパイアされ、現代を予見した黙示録的映像は我々を新しい世界へと導くだろう。

※インフェルノ
シリコングラフィックス社のONYX(オニキス)をプラットフォームに映画、CM、ゲーム、HDTV等の高解像度のヴィジュアル制作に最適な最高峰の映像合成ソフトウェア。

■主な映画祭受賞・上映
IMAGINA 2002(モナコ)/グランプリ
クレルモンフェラン国際短編映画祭 2002(フランス)/最優秀音楽賞
デジタルコンテンツグランプリ 2001(日本)/NICOGRAPH CG賞&アート部門映像賞
モントリオール国際ヌーヴォシネマ&メディアフェスティバル 2001(カナダ)/デジタル映像大賞
アーツ・エレトロニカ 2001(オーストリア)/優秀賞
ロカルノ・ビデオ&アート 2001/ヨーロッパ理事賞

ロッテルダム国際映画祭 2002
サンダンス・フィルム・フェスティバル 2002
メルボルン国際映画祭 2001
アヌシー国際アニメーション・フェスティバル 2001


 
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●解説・概要

『浮世物語』は日本という国を表現する夢物語である。人間と自然の力によって災害をこおむった国。苦しみと運命に翻弄させられた国。映画の冒頭は謎めいた雰囲気で始まる。三つの時代が交差していく。一つは1945年の広島、また一つは室町時代、そして平安時代。インフェルノ等の最新デジタル・コンピュータを駆使して、現実の世界と幻想の世界とを入り交えながら、ゆっくりと観客を独自のインフォグラフィックな世界に引き込んでいく。

主人公の子供の目を通して見つめられる出来事、そしてそれを大人になった本人が回想して行く。作品の中では繊細な伝統芸術と絶えず変化していく残酷な部分とが共存し、やさしく繊細でありながら同時に凶暴な世界を描く。

この作品の叙情的スタイルは本来のテーマである残酷さから離れ、詩的にファンタジーに描いていく。例えば戦争中、子供たちは炎や爆弾を彼等の想像の中で何度となく、まるで花火のように捉えている。この作品は実際におこった生々しい残虐な場面や残忍な場面などを決して強調することなく、寓話的に描いていく。また、広島で起こった真実の中に、日本の童話や伝統の空想的な面を織り交ぜながら日本への見解をより広く、自由なものにしていく。

そして後半は前半の部分のまとめとなる。すべての登場人物が原爆直後に同じ場所にそして同じ時間に、すなわち1945年の広島の海軍基地に集まる。

作品の大部分は台詞がほとんどなく、ナレーションによるいくつかの断片的な回想で語られる。映像上の登場人物たち(ひろゆき、過去の女、侍)は一切はなすことはなく、まるで浄瑠璃人形のようである。彼等の唯一の表現方法は顔の表情と動きである。そして人間の沈黙、内部の苦しみを表現する舞踏はこの作品の中で何度も使われ、被爆者のイメージを強く残していく。
暴力的な場面と苦しみの場面は舞踏で表現することにより詩的に描かれると同時に、この作品に寓話的に要素を取り入れていくだろう。インフォグラフィックはまさに夢と比喩表現である。過去の探究(昔話の伝統的映像)、そして原爆が落とされた現在を現実から常に少し距離をおいて描いていく。

『浮世物語』は構想・制作期間5年。編集に1年半(のべ2000時間)を要した、コンピュータ・グラフィックスとは異なったインフォグラフィックな全く新しい映像作品である。

ヒロシマ
1945年8月6日朝...まばゆい光が浮世いっぱいにひろがった
男は思い出す…
衝撃
突き刺す風
痛みの中に引き裂かれる体
現在の中の過去の夢
過去の中の未来の幻影
子供だったころ。以前に…
あの光が落ちる前に
世界が混乱する前に…

●登場人物

◆ひろゆき
10才の無邪気な男の子で終戦時の広島に住む。私たちは、広島で起こった出来事を夢と現実の間をさまようこの少年の目を通して見る。そして彼が大人になった時に子供時代の思い出を断片的に回想していく。

◆舞踏
この日本の独特の形式を持つ、舞い踊る現代ダンスは、当時広島で起こった出来事を忠実に表現する。その動きの中には、人間の苦しみ、犠牲、また原爆に対する憎しみを写出していく。又このダンスは、単に苦しみにあえぐ身体だけではなく、その内面にある心の静寂、悲痛をも表現する。
舞踏を通し、広島の被爆者の苦しみを隠喩的に描くことで、その情景を生々しい現実世界から幻想的な詩の世界へと高める。

◆過去の女
この登場人物は平安時代の物語の女主人公を想像させる。この女性は絵巻物の中に描かれていく。彼女の着物は彼女が良家出身であることを想像させ、また江戸時代から伝えられている伝説の中の登場人物、雪女を思わせる。雪女は妻を亡くした男の家に夜な夜な通う女の幽霊で、冬を象徴する人物である。その他の場面にも『竹取物語』や『雨若日子』などの日本の代表的な物語の要素が随所に表現される。この女の青白い顔は能面のように無表情で、反対にその動きは歌舞伎を思わせる。

◆侍
この登場人物は室町時代、特に1467年の“応仁の乱”からヒントを得ている。
その場面は激しく華やかなアクションシーンを用いている。


 
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●主な出演者

   

◆中村優子(なかむら ゆうこ)
俳優、日本舞踊市川流名取。
1969年1月8日福島県会津若松市生まれ。上智大学卒業後、演出家鈴木忠志が芸術総監督をつとめる水戸芸術館ACM劇場に専属劇団員として入団。現在は宮城聡が主宰するNPO法人ク・ナウカシアターカンパニーに所属。
主な出演作品として「天守物語」(作/泉鏡花)、「熱帯樹」(作/三島由紀夫)、「王女メディア」(作/エウリピデス)など。
日本舞踊では、歌舞伎役者市川団十郎を宗家とする市川流で名取。市川紫豊乃として紫扇会を結成、主に俳優を対象に日本舞踊を指導している。

◆大橋可也(おおはし かくや)
舞踏家。
1967年3月20日山口県宇部市生まれ。横浜国立大学卒業後、1993年-97年に和栗由起夫に舞踏を師事、好善社の主な公演に舞踏手として出演。1995年よりソロとしての活動を始める。若手舞踏家の注目株。
主な公演活動として「a generation terrorist」(1997/天王洲スフィアメックス)、「ミヅチ」(1997/北沢タウンホール、1999/中野ウエストエンドスタジオ)、「みえない身体」(岐阜県恵那郡加子母村内アトリエ村)

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