イアン・ケルコフ
(『アムステルダム・ウェイステッド!』『テクノ』映画監督)
『猫耳』のノイズ(雑音)は、21世紀の映画にとってのハルモニア(調和)となるだろう。
恋月姫(人形アーティスト)
あり得ない形に漂う意識。ノイズの音が、わたくしたちの夢に潜む肉体を超えた時空へと誘ってゆく。言葉にからめ取られ陶酔してゆく不思議な神経の迷宮には、もう1つのパラレルな世界が見える。生と死の隙間を渡ろうとする全ての魂に、救済さえも必要とせぬ静かな狂気に拍手を送りたい。
加藤賢崇(俳優)
自己完結への「照れ」と、自己顕示への「策謀」の、狭間で揺れる表現。成熟した初期衝動。見る者のイメージを膨らませては、また搾り取る。親切な悪意。心暖まるサディズム。
ミルクマン斉藤(groovisions)
ひどく古風なエロスのイメージを慈しみつつ切り裂いていく、硬質で澄明で誤魔化しのない画と繊細なる轟音ノイズ。それらをより煽情的なものに変容させるのは、濡れてしたたる光の肌触りである。マン・レイやブニュエルの映画がポルノグラフィであるというのと同じ意味で優れたポルノ。『サイコロ城の秘密』の、65年後の続篇。
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