（大竹伸朗/画家）

ココにある「色」にはここちよく幽かな湿気を帯びた「重力」が揺れている。その「重力」は奇妙な放電を重ねながら観るものを観たことのないスペースへ光速で連れ去る。マブタがシャッターと化しブラッケージの愛の歌と一瞬重なった時、そこには確かに音楽が鳴り響いていた。

（佐々木敦/音楽批評家）

ここにあるのは、音のないミニマル・ミュージック、あるいはノイジィなサイレント映画、あるいは不可能な「映像＝音響」・・・かくも美しく、戦慄的なイメージを、僕はこれまで見たことが、いや、聴いたことがなかった!